最強の室内物干し『スーパーラック』の開発ストーリー(後編・スーパーラック開発)その 1
ひらめいた!!
前編でスーパーラック以前の製品の開発の話を書きました。遅くなりましたがいよいよスーパーラックの開発の話を書きたいと思います。
最強の室内干し『スーパーラック』という商品として売り出すことができましたが、実は最初のスタートは今の形ではありませんでした。
私の娘から、「部屋のコーナーに取り付ける突っ張り棒はないの?」という一言から始まりました。
ワンルームタイプの部屋で洗濯物や洋服を掛けるのにコーナーに突っ張り棒があると便利なんだけどということでした。
そこでいろいろ試行錯誤しながら突っ張り棒を改良して試作品を作りましたが、どうしても広角に広がっている面に突っ張り棒を固定することは力学的にも無理でした。
行き詰って部屋のコーナーをぼんやり眺めていた時、ふとひらめきました!!
せまいコーナーの方に引っ張れば固定できるんじゃないかな。
ここからすぐ頭に浮かんだイメージ通りの部品を買いにホームセンターに向かい、試作品を作りました。
思い通りばっちり固定することができました!!
思った以上に丈夫で、いろいろなものを吊り下げることができます。
さあ、今度は特許出願だ!!
最強の室内物干し『スーパーラック』の開発ストーリー(後編・スーパーラック開発)その 2
特許登録
試作品はほぼイメージ通り部屋のコーナーに取り付けることができました。コーナーにフック一個を取り付け、三角形のラックをターンバックルで引っ張り固定する。なかなかいい出来でした。
これは今までにない仕組みで簡単に取り付けることができる。これなら特許が取れるんじゃないかと出願の準備を始めました。
まずは同じような製品があるか特許情報プラットフォームで調べることです。日本はもちろん、アメリカ、ヨーロッパ、中国まで調べました。延べ2000件ほどあったでしょうか。
今回のコーナーラックは難しい構造ではありませんので、特許書類の図面を見るだけで判断できるので、割と簡単に調べることができました。
よしこれならいける!という自信が持て、一気に出願書類を書き上げ、2016年4月5日に申請いたしました。早期審査請求ですので、2~3か月で結果通知が来るだろうと思っていましたがなかなか来ませんでした。
10月4日付けでようやく拒絶通知が来ました。一発で特許査定が下りるのはなかなかなくこれは想定内のことなので、いつもお世話になっている弁理士さんと相談し意見書の提出準備をしました。
10月21日付けで意見書を提出いたしました。弁理士さんもこれで特許登録ができるだろうと考えておりました。
2017年1月10日付けで拒絶査定の通知書が届きました。これにはとてもがっかりし、審査官の意見がこちらの意図していることとかけ離れているので納得できるものではありませんでした。
2017年4月10日付けで今度は審判請求書を提出しました。まさか審判までいくとは思いませんでしたが、もう後へは引き下がれません。特許査定が下りるのを我慢して待ちました。
2018年3月20日付けで拒絶理由通知書が届きました。これはだめだったのかーとがっかりして、よく通知書を読むと、この部分とその部分を修正して意見書を提出してくださいとなっていました。やったー!やっと特許登録になるとうれしさがこみ上げてきました。今回はご丁寧に意見書の書き方まで指導していただいてすぐに意見書を提出しました。
2018年3月26日付けで意見書提出
2018年4月17日付けで審理終結通知書が届く
2018年5月22日審決、 6月8日ようやく特許登録となりました。どうでしょうか、特許を取得するのはなかなか大変でしょう。
特許申請から約2年かかって特許登録です。でもこれからが本番です。特許を取っただけでは何にもなりません。これまでの時間と労力を無駄にしないためにもこれからが肝心です。